□【不思議な革財布】リボーンウォレット物語
■スマホも入る財布、リボーンウォレットが選ばれる8つの理由
□ひとりで特許出願
■【後日譚】懐かしい想い出〜ご縁を紡いでいく〜
【“生まれ変わる財布”リボーンウォレット 誕生秘話(前編)】
厳しい状況から再生(リボーン)への願い
2007年に父が亡くなって母親が会社の代表を務めるようになったのですが、日本の景気の悪さも手伝って皮革の販売だけでは厳しい状況が続いていました。
そこでエキゾチックレザーの皮革販売以外に、エキゾチックレザー製品の販売を始めようと、サンプル作りなどを少しずつ始めるようになりました。
オリジナル製品の販売をしようと考えていたのですが、そこでブランド名を幾つか考えました。
最終的に、二つの名前まで絞ったのですが、一つは『S-Team-Y』(スティーミー) そして、もう一つが『Re-Bone』(リボーン)でした。
『S-Team-Y』は、父が立ち上げたST貿易の名前を残したかったので、SとTが連続する名前で考えたのでした。
steamyとは【蒸し暑い、とか蒸気からなる、などの他にエロチックな、セクシーな】などの意味もあるので、エキゾチックの情熱的な〜に通ずるものがあるので良いのではないかと思って考えました。
ST貿易は、もともと須沢さんという方と父(高島)の二人で立ち上げた会社だったのでSTだったのですが、須沢さんは一年ほどで辞めてしまったらしいです。
そんな切り離されたSとTですが、きっとご縁で繋がっているということでS-Tのチーム
そして父と息子の繋がりはY染色体ということで『S-Team-Y』
なかなか良い名前だったんじゃないかな〜、とか自分では思っています。
今後もしかしたらどこかで使っていくかも知れません。
『Re-Bone』に決定した理由は沢山あったのですが、ボロボロになっていく父の会社を再生(リボーン)させたいとの想いが一番強かったのかもしれません。
もちろん、皮革を製品として再生させる意味のリボーンが根幹にありますが、当時の自分の心情の中には、そういう想いが確かに在りました。
そして“reborn(再生)の為の骨子で在りたい”との想いから『Re-Bone』と決定したのでした。
リボーンのロゴは温かみを感じられるようにと手書きです。
そして、エキゾティックレザー(エキゾチックレザー)に製品としての生命への愛を…その為の骨子として、リボーンだけのオリジナリティとは何か?を模索していました。
*エキゾティックレザー(エキゾチックレザー)の組合せ
*独自のオリジナルデザイン
*エキゾティック(エキゾチック)レザーを通した他者との関わり合いの表現
*文字通り“ここにしかないもの”
そんなコンセプトのもと新しいお財布のデザインを考えている中で時に辿り着いたのは
【他者との関わり合いを具現化した収納具】
【文字通り財布を折半し自分以外の誰かとそのデザインを共有できる財布ーシェアウォレット】
【最終的なデザインをお客様の手によって完成させることができるお財布’ でした。】
+Re-Bone classics long wallet(長財布テジュー艶(茶))
早速、職人さんに相談して製作方法なども含めて二人で意見交換をしながら、ラフなどでイメージを絞っていきました。
そして、Re-Bone wallet のプロトタイプ(試作品)第一弾のたたき台として、classics から長財布を選定。
シンプルな長財布をたたき台に、<着脱財布>Re-Bone Wallet の製作に入りました。
Re-Bone Wallet・着脱財布(シェアウォレット)のプロトタイプ(試作品)の製作と同時に、財布に留まらない“収納具全般”として特許出願も並行しておこなっていました。
それらの書類作成のための図案を含めて、考え得る限りの部材や連結部材、形状に至るまでを書き出していって、シンプルにして実現可能な長財布を、そして連結部材にオープンファスナー(エクセラダブル)を第一弾として決定しました。
出来上がった Re-Bone Wallet プロトタイプ(試作品)第一弾になります。
カロング迷彩柄の吟スリをアウターに、インナーには牛革を使用して製作されました。
ベロなしの薄手の長財布
オープンファスナーには、エクセラダブルの、ミックスとアンティークシルバーを使ってみました。
使い勝手や、ファスナーを含めた耐久性など調べる為に実際に使用しながら改良点などを書き出していきます。
画像を見てお分かりいただけますが、通常の(革の)長財布と比べてのメリットとしまして、ほぼ360°の開閉が可能な点があげられるかと思います。
革の長財布でも当然、長く使っていただく事によって開閉もしやすく使い勝手も良くなってきますが、中央部分にファスナーを使用する事によって使い始め当初から開閉時のストレスがなくなりました。
お互いを組み替えた状態です
実際に製品が出来上がったので、長所や短所など気が付いた点や効能(?)などメモしたものが、よりリアルな意見としてイメージを膨らませるのに役立ってくれたので、とても助かりました。
シンプルな薄型長財布の試作品が完成したので、第二弾は薄手の長財布の対局に位置する、厚みのあるオールレザー長財布(ベロ付)の製作をすることに決定しました。
使い始め当初から開閉しやすいので、鞄などに入れているときに開いてしまわないようにベロ付にしたのでした。
ダイヤモンドパイソンF/C(艶ナチュラル柄)とダイヤモンドパイソンB/C(マットチョコシルバーパール)をアウターに使用して製作。
インナー収納部にはカロング(マット黒半艶)を全面に使用して、裏地として牛サドルレザーで製作した為に相当厚みのある長財布になりました。
*お互いを組み替えたファスナー付近の画像です。
色違いのエクセラファスナーを組合せた感じなどもチェックします。
出来上がりとしては相当満足のいくものとなったのですが、ここで問題点(!?)が発覚します。
・Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ弐号)ダイヤモンドパイソンF/C(ナチュラル艶)とB/C(マットチョコ・シルバーパール仕上げ)をそれぞれ組み替えた画像です。
<アウターにパイソン革をインナー収納部にカロングを裏地素材としてサドルレザーを使用したオールレザーウォレット>
オールレザーの厚みに対してファスナー生地部分の遊びが少なく、お札やカードなどを収納すると思いのほか財布自体がパンパンになってしまう心配が出てきた為に、薄型の長財布でデザインを煮詰めていくか、幅広ファスナーを使用したオールレザー長財布をもう一度チャレンジするか選択を迫られることとなりました。
職人といろいろ話し合った結果、とりあえず通常のファスナーよりも5mm生地幅が広いファスナーを使って、もう一度オールレザーにチャレンジしてみようという事になりました。
通常よりも5mmずつ左右の布地幅が広いファスナーを注文し、上がってきたのがこちらになります
こちらのファスナーを使って再び Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ参号)オールレザーの製作に入りました。
今回はファスナーの生地幅を広めただけではなく、前回よりも革自体の厚みを薄くしてもらうことを職人さんから提案していただいたので、そのように製作してもらう事としました。
更に、アウターとインナーの色や光沢感などの組み合せも試してみたかったので、アウターとインナーをそれぞれ違った革素材にしてみました。
そしていよいよ、Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ参号)が完成しました。
<アウターとインナーそれぞれに違ったタイプのパイソンレザーを、裏地素材としてサドルレザーを使用したオールレザーウォレット>
*ベロ部分はそれぞれインナーと同じ革素材で製作。
*アウターに光沢のあるゴールド迷彩パイソンとインナー(ベロ部分)にパイソンマット黒で製作
*アウターにパイソンマット黒とインナー(ベロ部分)には光沢のない迷彩吟スリゴールドパイソンで製作
今回取り組んだ、前作からの課題であった“収納具としての遊び” も無事にクリアできました。
*画像上が前作(弐号)下がプロトタイプ参号ですが、ファスナー部分の遊びの違いと、革自体の厚みの違いを感じていただけるかと思います。
*財布を開いた画像です。ファスナー生地幅の分大きくなっているのがわかります。
アウターとインナーそれぞれに違った表情を持った長財布を組み替えた画像です。
見たかった表情の組合せなどは、実際にサンプルで試してみないとわからないことも多々あるので、今回のサンプル作りは非常に参考になりました。
ここまでくる中で、いろいろと感じていた事、思っていたことがあったのでプロトタイプ参号の完成後にいよいよ Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレットの本製品の製作へと移行していきます。
様々なタイプを考えて幾つかを試作していく中で、デザインはできるだけ絞った方が良いのかな?と思っていたので、プロトタイプ初号〜参号を合わせた総合的なタイプで決定しました。
後編につづく
リボーンウォレットにまつわるコンテンツ
□【不思議な革財布】リボーンウォレット物語
■スマホも入る財布、リボーンウォレットが選ばれる8つの理由
□ひとりで特許出願
■【後日譚】懐かしい想い出〜ご縁を紡いでいく〜
【Re-Bone Wallet リボーンウォレット/特許出願編】
【01】“始動”<最初の一歩>
【02】“発明協会(会館)”<続けることによってひらけてくる道もある>
【03】“模倣から始める”<先人たちの礎>
【04】“弁理士会館と商標登録”<一期一会>
【05】“特許出願”<背中を押してくれたひと>
【06】“国内優先権の主張”<ひとりでは何処にもいけない>
【07】“運命的な出会い”<縁(えにし)>
【08】“諸刃の剣”<戦略としてのグレー>
【09】“面接”<淡い期待>
【10】“最初の拒絶通知”<余命数ヶ月の宣告>
【11】“原点に戻る”<実より名を取るー桜の咲く季節>
【12】“最後の面接”<ひとりではない>
【 ∞ 】“感謝の気持ち”<恩返しと恩送り>
【2022】ひとりで特許出願〜その後の話〜
◆製品開発と同時進行で行っていた、特許出願までに至る経緯とその後のことなど特許情報などを含めて掲載しています。
*より詳細な情報はオフシャルページの【リボーンウォレットについて】をご覧ください。
内容はRe-Boneのコンセプトを 始めとして、Re-Bone Walleの開発秘話、
レザーの知識やメディア掲載情報など、Re-Boneのすべての情報がご覧になれます。