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爬虫類皮革の代表的なものがワニ革です。現在、世界中に生息しているワニは、3科9属23種と言われています。
クロコダイルといえば、ワニ革の総称としても使われることが多くなった今日ですが、大きく分類すると、“アリゲーター(カイマン)”と“クロコダイル”に分類されます。
仕上げとしては大きく、光沢のあるグレージング仕上げ(有名なところではエルメスのバーキン等)と、マット仕上げ(エージング(経年変化)をお楽しみいただけます。)に分類されます。
お腹がメインのベリー(Berry) と、背中がメインのホーンバック (Horn back) とがあり、四角い形状のお腹の部分を竹腑(たけふ)、わき腹付近の丸みのある部分を玉腑(たまふ)と呼びます。
クロコダイルの種類
◆スモールクロコ
商業名:Saltwater Crocodile
学名:Crocodylus porosus
ヨーロッパでは、シンガポールワニとも呼ばれています。
学術名をとってポロサス(ポロソス)呼ばれています。
腹部の四角形(長方形)をした鱗が美麗に揃ったスモールスケールタイプクロコダイルは、ワニ革の中でも最高級品です。
腹の部分の頸から肛門にかけて、鱗の横列の数が約31〜35列あります。又、横腹の部分は、丸い形状の鱗です。
◆ラージクロコ
商業名:Freshwater Crocodile
学名:Crocodylus novaeguineae
日本で最も多く使用されているワニ革です。腹部の鱗は正方形に近く、鱗の大きさは、スモールスケールタイプより大きく、頸から肛門までの鱗の横列の数は約24〜32列あります。
◆ナイルクロコ
商業名:Nile Crocodile学名:Crocodylus niloticus
イリエワニ、ニューギニアワニ同様、高級品用の素材として注目を得ています。腹部の鱗は細かく、長方形の鱗板が腹部全体に整然と並んでいます。横腹の鱗は丸みのある長方形で、その巾は他の種類より狭いのが特徴です。
◆シャムワニ
商業名:Siamese Crocodile
学名:Crocodylus siamensis
ポピュラーなワニ革のひとつです。腹部の鱗の形状は長方形で、イリエワニに似ていますが、それよりやや大きめです。頸から肛門にかけての鱗の横列の数は約30〜34列です。又、横腹の部分の鱗は、丸みのある形状をしています。
◆メキシコクロコ
商業名:Morelet's Crocodile学名:Crocodylus Moreletii
非常に気性が荒く、現在ほとんど流通していない希少性が非常に高いワニ革です。
鱗の数や細かさはスモールクロコと同程度ですが、彫が深く革の“山”と“谷”の高低差があり豊かな表情を持っています。
厳密にいえば、アクトスやフィッシュクロコなどもありますが、主なところを紹介させていただきました。
より厳密なワニ革の種類については
【◆エルメス,シャネル,ルイヴィトンなどの高級ブランドも認めた魅力とは その1】をご覧ください。
世界的にはワニ革を大きく分類すると【ALLIGATORIDAE】か【CROCODYLIADE】の2種類です。
数十年前には【GAVIALIDAE】が1種単独でありましたが、現在では【CROCODYLIADE】に分類されるようになったようです。
◆アリゲーター
商業名:American Alligator
学名:Alligator mississippiensis
ミシシッピーワニは全体に胴が長く、腹部の鱗の形状はクロコダイル(イ〜ニ等)に比べ、やや長めの長方形をしています。頸から肛門までの鱗の横列数は29〜34列あります。
生息地は、アメリカ合衆国南部のルイジアナ州、フロリダ州などの沼や河川が中心です。
厳密にいうと、ワニは呼称として2種類に分けられています。
大きくクロコダイルとアリゲーターに分類されます。(カイマンは、アリゲーターに属します)
*余談ですが、自分の父がフロリダでアリゲーターの皮鞣し工場を運営していた頃に自分もそこで勉強させてもらっていました。